
室内湿度55%のダニと室内湿度70%以上のダニを比べると、こんなに状態が違うことがわかります。なぜでしょう。写真のダニはアレルギーの一因となるヤケヒョウヒダニです。ダニは口から水分補給を行うのではなく、身体の表面から水分を吸収します。ヤケヒョウヒダニは低湿度に比較的強いダニですが、55%以下の湿度では、写真のように干からびて10数日以内には死滅してしまいます。
右は、平均湿度57.6%の室内に置いた食パンと平均湿度79.2%の室内に置いた食パンを比べたものです。湿度約80%の室内では、4日後にカビが生えはじめ、1週間後には写真のような状態になりました。一方、湿度約58%の室内では、食パンにカビは生じませんでした。
湿度は、高すぎるとダニ・カビが繁殖し、逆に低すぎるとウイルスやバクテリアが繁殖するため、おおむね40~60%に管理することが、住まう人にとって最も健康的な環境といえます。また、湿度と温度には密接な関係があり、部屋の温度が1℃下がると湿度は3~5%上がります。断熱性の低い家では、暖房時に天井部分が約30℃に、床付近では10℃になります。天井と床では20℃の差が生じるため、床付近の湿度は約92%まで上がって結露が起きてしまうのです。ダニとカビの天国です。対策は、断熱性の高い家にすること。室内の温度差を小さくして、住まい全体の湿度管理を行います。これは暑い夏にも有効です。室内 湿度を40~60%に保てば、気化熱により室温28℃でも暑さを感じません。エアコンの設定温度28℃で快適に生活できますから、エアコンのかけすぎなど による「冷房病」にかかりにくい環境といえます。しかも、エアコンの電気代の節約にもなるので一挙両得です。
日本の夏は、極めて高温多湿。たとえ高気密住宅でも室内の湿度管理はなかなか困難です。一般的なエアコンの除湿機能は、エアコン内部で湿った空気を冷やし 強制結露させて除湿するため、室温も下がってしまいます。室内の湿度が高いままでも室温が下がるとセンサーが感知し、それ以上室内を冷やさないよう除湿運転を止めてしまうので、温度設定をかなり低くしなければなりません。しかし、冷え過ぎの部屋では身体がだるくなったり、冷房病なども心配です。夏は部屋を 冷やしすぎずに除湿するのが望ましいのです。同じ温度でも湿度が低ければ、体感温度が下がって快適に過ごせます。室温を下げずに除湿できるタイプとして 「再熱除湿エアコン」などがありますので、空調システムを選ぶ際は検討してみてください。
















