「お財布」にも「地球にも」優しい、を実現!災害時でも安心な「省エネ住宅」はこうして作られている
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「暮らしのくふう」をお届けする小学館のwebメディア『kufura』編集長サトウが、一条工務店を突撃取材するシリーズ連載。今回は、近年の家づくりで聞かれるようになった「ZEH(ゼッチ)」や太陽光発電など、「エネルギーや資源との付き合い方」のお話です。
都内では太陽光パネル設置義務化!いま必要な省エネって?
最近、戸建ての住宅の屋根の上に「太陽光パネル」をよく見かけるようになってきたなあ、と思っていたら……、なんと東京都では2025年4月以降に新築する戸建て住宅には太陽光パネルの設置が義務化された(※)とのこと!
これは、もちろん環境への負荷を考えてのことと思いますが、実際問題、太陽光発電にすることで、暮らしがどんなふうに変化するのか、今ひとつピンとこない……。そこで一条工務店の廣江さんに伺ってみました。
※大手ハウスメーカー等が対象。ただし、屋根の面積が一定の広さを満たさない建物を除く。

「一条の家は、実は15年も前から“太陽光パネル一体型の屋根”をご提供しているんですよ!」(以下「」内、廣江さん)
そう教えてくれた廣江さん。おお、それは時代を先取りした取り組み!
ちなみに一条の“屋根一体型”の太陽光パネルって、一般的な屋根の上に載せる太陽光パネルとどう違うんですか?
「“屋根一体型”の場合、パネルが屋根いっぱいに載っているため、太陽光を無駄なく発電に利用できるだけでなく、屋根の塗り替えが不要で耐久性にも優れています。
一般的な太陽光パネルは屋根の上にパネルを載せるので重くなるうえ、風の影響や地震の影響を受けやすい場合も。また屋根に対して、載せられる太陽光パネルの面積が限られてしまいます。
一条では太陽光パネルを自社グループ工場で生産することで、リーズナブルにご提供できているんです」
たしかに。一条さんの家って、屋根が一方向だけに傾斜がある“片流れ”タイプが多くて、その屋根一面にパネルがありますよね。見るからに発電力がありそう。
一条さんの屋根一体型太陽光パネルのメリットを整理すると、
・パネルをたくさん載せられて、たくさん発電できる
・薄くて軽くて丈夫!地震など災害時の建物への負荷が少ない
・屋根の塗り替え不要でメンテナンスコストの負担が少ない
・自社グループ生産でリーズナブル
ということでしょうか。これだけ聞くとメリットがいっぱい!
「それだけじゃありません!発電量が多いので、蓄電池をつけることで、そこにたっぷり電気を蓄えることが可能なんです。家で使う1日分の電気をまかなえたり、また、災害時に万が一停電しても、自宅の屋根で創った電力で生活できたりします。もちろん省エネにもなりますよね」
そういえば、以前、一条オーナーのなあたンさんのお宅に伺った時に、嬉しそうに電気代の収支を語っていただいたことがありました!
>>なあたンさんの家の電気代の記事はこちら
電気代の値上がりがニュースになる中、大容量の太陽光発電で、節電に頭を悩ませることなく快適に過ごしていたのが印象的です。
また、災害時の備えとしても安心感が大きいですよね!特に子どもや老人がいる家庭では、真夏や真冬の停電は命にかかわることでもあるので。
電気を自給自足できるということは、もちろん「電力会社から電気を買わない」ことにつながるので結果、省エネに。近年は真夏に節電要請のニュースを聞くことも多いので、これはいいことづくめだ!
自分たちが使うエネルギーは、自分たちで創る、という考え方

「省エネといえば……サトウ編集長は最近ニュースにもよく出てくるようになった “ZEH(ゼッチ)”はご存じですか?」
ZEH……恥ずかしながら初耳です。なにかの略語、ですよね?(笑)
「はい、“ZEH”は“Net Zero Energy House”の略で、一般的には“使う電力=創る電力”となることを目指した“エネルギー収支ゼロ”の家のことを指します。自分たちで使うエネルギーは、自分たちで創る、ということですね。
一条では、家のつくりを“超気密➕超断熱”にすることで冷暖房などに電力を極力必要としない“超省エネ”を実現、また大容量の太陽光発電でたっぷり電気を創る“超創エネ”を実現しています。つまり“使う電力≦創る電力”になっていて、ZEH基準をはるかに上回る“超ZEH” なんですよ」
ええっ!!つまり、お金で例えると、使うお金は最大限節約、入ってくるお金が多いので、十分に貯蓄できちゃう状態……ということですよね。
実際、電気を自宅で創れたら、電力会社から買う電気の量はグンと減らせるので、“電気代は激減する”ということ。一条の家は、省エネに加えて家計も節約できる家、ということなんですね!win-winすぎる!
住む人のことだけでなく、地球環境のことも考えた家づくりの理念に改めて共感します。
「実は、一条の家は“住む人の省エネ”だけを考えているわけじゃないんです」
えっ、なに?どういうこと?
建てる時から徹底したリサイクル!エコ・ファースト企業に

「一条の家は、家を建てる際に出る木材のくずや梱包材なども、ほぼすべて再生利用しています。以前、家を建てている現場のお手伝いに行ったのですが、ゴミをザックリまとめていたら、現場の大工さんにすごーく叱られまして(笑)。
現場で出るゴミは、素材ごとにきちんと仕分けして再生利用に回す仕組みだったんです。現場でのその徹底ぶりに、私自身が驚かされました」
えーっ。戸建ての建築現場って通りかかって見る限り、雑多に色んな素材があるイメージ。そんな中でも再生利用が徹底されているって、エコへの取り組み意識がかなり高いんですね。
聞くと、木材のくずは床暖房パネルに、梱包材やビニール材は建築現場で使う防湿シートに、石膏ボードの端材も建築現場で使う石膏ボードへ生まれ変わるんだそう。その再生率は、なんと98%以上とか!
家を建てる時に出る産業廃棄物は相当量が想像できるだけに、それらのほとんどを再生利用しているって、なかなかできることじゃありませんよね。
「はい!一条は2011年から“エコ・ファースト企業”の認定を受けているんです。この認定は、さまざまなジャンルのすべての国内企業の中で、2025年1月時点で94社しか受けていないんですよ」
全国、無数にある企業の中でたった94社だけって、すごい!徹底して環境に配慮した取り組みをおこなっているのが伺えます(そして廣江さんが自信たっぷりに紹介してくれるのも納得……!)。
太陽光発電や超ZEHの住まいは、私たち“暮らす側”にとっては節電や省エネに直結していて見えやすい取り組みです。でも、建築現場のような“見えない”ところでも、環境問題への取り組みを徹底している姿勢を知ると、さらに一条の家に住む価値が高まるなあ、と感じられます。
私たち家族はもちろん、その次の世代も快適に暮らせる家づくりは、環境への配慮と一緒にあるべきという大切な理念を、一条さんに改めて教えてもらったサトウなのでした。
イラスト/朝倉千夏