災害が発生したら、電気・ガス・水道が停止し、さらに物流が止まるケースも珍しくありません。ふだん通りの生活が困難になるため、命をつなぐ「食」と「水」の備えは必要不可欠です。
災害時の水の備蓄は飲用水と生活用水を合わせて1人あたり1日3L必要と言われていますが、これは非常時に必要な最低限の量。ふだんは1人あたり平均221 L/日もの水を使っています※。人によっては3Lの水では少ない場合があり、飲用水が足りないと脱水症などを引き起こす可能性もあります。
※出典:東京都水道局/令和3年度
-
24時間を3Lの水だけで過ごしてみましょう。足りなくなった時点でリタイアしてOK。何時に水を使い切ったか、主に何に使ったかを振り返ることで、自分の水の使い方をイメージでき、本当に必要な水の量がわかります。
-
-
停電したら、「すぐに冷蔵庫の食品を使わないと!」と思う方が多いかもしれませんが、むやみに扉を開閉すれば、庫内の冷気が逃げてしまい食品が傷んで食べられなくなる原因に。冷気を逃さなければ冷凍室の冷凍食品も1日程度もちます。
-
① 冷蔵室の生鮮食品
② 溶け始めたら冷凍室の冷凍食品
③ 野菜室の野菜
④ 常温保存の食品
の順番で使用しましょう!
冷蔵庫を整理して中身を把握しましょう。ふだんからどこに何があるのか把握しておけば、無駄な開閉で冷気が逃げるのを防げます。食品は収納ボックスなどを活用し立てて保存。“見える化”できる上、スペースを効率的に使えます。また、冷凍室は隙間なく詰めたほうが食品同士で保冷し合い、長く低温を保てます。
ガスや電気の供給がストップするとふだんの調理ができなくなります。冷えた食事ばかりだと気持ちも下がり、体調を崩してしまうことも…。温かい料理を食べれば体の芯から温めることができ、生きる活力にもつながります。
スープなどを保温しながら持ち運べるスープジャー。実は調理器具としても使えます。高い保温力を活かした“ほったらかし調理”が可能。朝に沸かしたお湯の中に材料を入れて放置すれば、お昼には中華粥の完成!
-
❶スープジャーに熱湯(100ml)を入れて蓋を閉め、3分ほど保温する
❷❶のお湯を出して※、無洗米(大さじ3)、熱湯(150ml)、鶏がらスープの素
(小さじ1/2)を入れる
❸蓋を閉めて、2~3時間置けばできあがり
※お湯は生活用水として再利用できます。
-
-
-
ライフラインが停止しても使えるカセットコンロとガスボンベは必須アイテム。ガスボンベの消費は意外と早いので、賢く使うためにも保温調理を!
備蓄用の食品を押し入れなどの奥にしまい込んでいませんか?せっかくの備蓄も、いざというとき賞味期限が切れていたら、元も子もありません。賞味期限が長い防災用の食品でも、しっかり管理することが大切です。
食品は箱やケースに並べて見える場所に収納を。手前から賞味期限順に並べ、手前から使っていきます。見える場所に収納することで、残数もひと目でわかります。買い足して補充すれば「ローリングストック」にも。
災害が起こると人は大きく動揺し、メンタルにも悪影響を及ぼす場合があります。そんなときだからこそ気分を上げるために重要なのが “食べる”という行為。ふだん食べていない保存食では、のどを通りにくく、ストレスも溜まります。食べ慣れているものや、お気に入りの食品を用意しましょう。
防災リュックに詰める食品は、とにかく好きなもの、気分の上がるものを。とっておきの「高級牛肉レトルトカレー」なんていうのもアリです。子どものリュックなら、お菓子を詰めてあげても構いません。
水の備蓄を1ヵ所にまとめていると、災害時に保管場所のドアが開かなくなって取れない、物が落下してペットボトルが破損して飲めなくなる、といった不測の事態が考えられます。
家全体を備蓄庫として捉え、命に関わる水は家中のあちこちに備蓄しましょう。リビングやキッチンはもちろん、寝室や玄関にも備えておけば安心です。万が一、閉じ込められてしまう可能性を考えて、トイレや脱衣所に置いておくのもいいでしょう。