言うことを聞かない子どもをついキツく叱ってしまい、気分が落ち込んでしまう…そんな経験はありませんか?「親の言葉が変わると、子どもの将来も変わります」そうアドバイスするのは、13,000件以上の子育て相談を受けてきた教育家の石田勝紀さん。今回は、日々子どもと向き合うパパ・ママに、ぜひ知っておいていただきたい、“伝え方”のエッセンスをご紹介します。
何度言っても聞いてくれない、もっと勉強を頑張ってほしい…。子育てにおいて、そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。毎日の会話で、親の気持ちがそのまま子どもに伝わればいいのですが、それってなかなか簡単ではありません。その上、親の言葉の選び方や伝え方が、子どもにとってマイナスにも働くことがあるんです。
つい言いがちな「ちゃんとしなさい!」。でも
「ちゃんと」って何でしょう?言われた子どもも「?」となるはずです。この言葉には「いい子でいてね」という親側の希望が隠れていて、これを度々言われる子どもは「自分には何か足りないのかも…」と劣等感を抱くようになります。ほかにも「早くしなさい!」という言葉も「『早く』と言われるまでは大丈夫」と無意識に刷り込まれ、逆に言われるまで動かない子になってしまう場合もあります。
親から褒められたり、認められたりすることでポジティブなメッセージが子どもへ伝われば、「ぼくってすごいかも!」「わたしは頑張ってる!」といった自信が生まれます。そして、今の自分を素直に受け止め、きちんと評価できる自己肯定感も醸成。さらには苦手なことや新しいことに直面しても「やってみよう!」とチャレンジする姿勢が身についていきます。
子どもは表現の引き出しがまだ少ないだけで、頭の中では大人と同じように多くのことを感じ、考えています。小さな子どもの「やだ」というひと言にも、その子なりの気持ちが詰まっているのです。それを理解し、話を聞くときにもひとりの人間として尊重する姿勢で耳を傾けてあげてください。
子どもでも、自分の短所には気づいているもの。それをわざわざ指摘されれば、「言われなくても分かってる!」と反発してしまいます。しかし、長所は意外と自覚できていません。まずは、長所を褒めてあげてください。自分に強みがあると分かれば心に余裕が生まれ、おのずと短所に向き合えるようになります。
つい親が子どもに言ってしまいがちな、下のような
「指示」「命令」「脅迫」「説得」の伝え方は、実は子どもに全然響かず、むしろやる気をなくさせてしまうNG構文です。
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どのようなルールが良いか、まず子どもに意見を言わせることでルールへの責任感や主体性を持たせます。
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子どもの意見は否定せず、親の意見も伝えてルールを調整しましょう。納得できるように、理由もきちんと説明を。
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ルールを決められないときは、具体的な選択肢を提案してあげると、子どもは選びやすくなります。
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守れなかったときのペナルティも用意します。ルール決めと同じように親子で相談して決めましょう。
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一連の話し合いを録画することで、後で忘れてしまっても、「言った・言わない」のトラブルを防げます。
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1週間試して様子を見ます。守るのが難しいようなら、子どもに考えさせて見直しましょう。
子どもとうまく会話が続かないとお悩みの方もいるかもしれません。コミュニケーションは長さより頻度が大切で、「学校で○○してさ」
「そうなんだ~」という軽い雑談や、食事中の「お醤油取って」「うん」でもいいのです。
あまり自分から話さない子は、親から話しかければOK。でも「友だちとうまくいってる?」などの詮索はNGです。「ママ(パパ)が子どものときも○○したな~」など親の話題の方が、案外会話に乗ってくれます。
親子の会話を振り返ってみて「思い当たる言葉があった」という方も、ちょっと意識するだけで伝わり方は変わります。前向きな言葉をかけてあげながら、ぜひ日々の会話の中で“成長の瞬間”を感じてみてください。
SUPERVISOR
一般社団法人 教育デザインラボ代表理事
石田 勝紀さん
20歳で学習塾を創業。直接指導では4,500人以上、講演・セミナー等では5万人以上の教育支援に携わる。2016年からは母親向けのカフェスタイル勉強会「Mama Café(ママカフェ)」を主宰。年130回以上の開催を通じて、延べ
1.3万人の母親からの対面相談を受けてきた。『みんなの自己肯定感を高める 子育て言い換え事典』など著書多数。
『iikoto』は、豊かに、健やかに、楽しく暮らすためのヒントが詰まった、一条のライフスタイルマガジンです。無料でプレゼントいたしますので、バックナンバーページからぜひご請求ください。
※本記事は『iikoto』(2024年8月号)の特集をもとに編集しています。
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