13,000件以上の子育て相談を受けてきた教育家の石田勝紀さんに伺った、親子の会話で意識したいことや、子どもに声をかける時の言葉選びと伝え方の工夫をご紹介している今回の特集。前編では、子どもの自信を育むための会話の心構えなどについてお話を伺いました。後編では、実際にネガティブな言葉をポジティブに言い換える方法や、効果的なポジティブワードの使い方を解説します。前向きなコミュニケーションで、親子の絆をさらに深めましょう。
ゲームなどに熱中しているとき、子どもは「宿題」というワードを簡単にスルーしてしまいます。つまり聞いていない状態。無理に命令すると「今やろうと思っていたのに!」と反発されてしまうことも。
子どもの時間は大人よりもゆっくりと流れています。中には、何をするにもマイペースな子も。やみくもに急がせると、その子本来のリズムが崩れてしまい、いい加減になるなど良い結果になりません。
この言葉で伝わっているのは「あなたはやらない子ね」というメッセージ。
かえって意欲が削がれてしまいます。また、なぜ嫌なことを我慢して頑張る必要があるのか、子どもには理解ができません。
学校や家庭、友だち関係など、子ども
だっていろいろな不満を抱えています。文句を言わないように注意すると、子どもは表面的には黙るかもしれませんが、心の内にはどんどんストレスを溜め込むことに。
このような「指示・命令」の声かけに子どもは反発します。その場は言うことを聞いても、翌日にはまた約束は破られるでしょう。しつこく言い続けることで、子どものマイナス感情を助長しかねません。
「大丈夫」は伝え方に注意が必要です。緊張しているときに「絶対大丈夫!あんなに練習したでしょ!」などと大げさに言ったり、深刻な表情で伝えたりすると、ますますプレッシャーに。
感謝や喜びの気持ちを伝えるワード。言われた子どもは「自分は必要とされている」と実感します。お手伝いのときなど、必ず声に出して伝えてください。普段からたくさん頼みごとをして、お礼を言う機会を増やすのもおすすめです。
子どもの行動や頑張りを認めるワード。「自分はすごい!」と自信をつけさせ、やる気を引き出します。ささいなことでも子どもの良いところや優れたところを探して、これらのワードでたっぷり褒めてあげてください。
「褒めよう、感謝を伝えよう」と意識すると、つい大げさになったり、わざとらしくなったりしてしまいがち。こうした不自然な態度に、子どもは「嘘くささ」を感じて、やがては反発してしまうこともあります。そうならないように、ポジティブワードは「軽く・明るく・さりげなく」を心がけましょう。無理なく自然に発した言葉は、より子どもの心に響きやすくなります。
子どもへの伝え方を変えるには、親自身の気持ちを変えていくことが大切です。心がポジティブなら、ネガティブな言葉は出にくくなります。だからこそ、まずは親が自分の人生を楽しむ姿勢へ、少しずつ心を切り替えていきましょう。
また、子育てについて不安があるということは、それだけわが子を愛している証拠です。途中で壁にぶつかろうと、愛情を受けた子どもには必ず明るい未来が待っています。ぜひ、親子の暮らしをポジティブな言葉で満たしてください。
※本記事は「iikoto」2024年8月号を再編集したものです。掲載情報は発行当時のものになります。
SUPERVISOR
一般社団法人 教育デザインラボ代表理事
石田 勝紀さん
20歳で学習塾を創業。直接指導では4,500人以上、講演・セミナー等では5万人以上の教育支援に携わる。2016年からは母親向けのカフェスタイル勉強会「Mama Café(ママカフェ)」を主宰。年130回以上の開催を通じて、延べ
1.3万人の母親からの対面相談を受けてきた。『みんなの自己肯定感を高める 子育て言い換え事典』など著書多数。
『iikoto』は、豊かに、健やかに、楽しく暮らすためのヒントが詰まった、一条のライフスタイルマガジンです。無料でプレゼントいたしますので、バックナンバーページからぜひご請求ください。
※本記事は『iikoto』(2024年8月号)の特集をもとに編集しています。
LINEの友だち登録で
新着記事をお知らせ
一条工務店のLINE公式アカウントにご登録いただくと、記事の更新があった際にお知らせを受け取ることができます。
また、LINEでも収納術やお掃除アイデアなど暮らしに役立つ情報を発信中です。
「友だち登録」は右の二次元コードから!
@ichijo_official
友だち登録はこちら
@ichijo_official