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11-41 憧れのライフスタイル

肉料理をおいしくする! 目からウロコの調理テク

2025.08.18

おうちの肉料理がレベルアップ!自宅でできる簡単調理テクを伝授《後編》

身近なお肉の味をグンとアップさせるための知識やテクニックを、“肉偏愛料理家”の長田絢さんに伺った今回の特集。前編では、お肉の基礎的な情報について教えていただきました。後編では、“ふだん使い”の肉をもっと柔らかく、ジューシーに仕上げて、おいしく食べるための調理のコツをご紹介します。

牛肉 BEEF 牛肉 BEEF

ステーキ 焼く直前に下味を付けてジューシーに ステーキ 焼く直前に下味を付けてジューシーに

厚切り肉は調理する30分以上前に冷蔵庫から出して常温に戻します。こうすることで、肉の外と内の温度差がなくなり、火が均等に通るようになります。塩・こしょうなどで下味を付けるタイミングは焼く直前に。味付けをして時間をおくと浸透圧により水分が流れ出てしまい、ジューシーさを損ねてしまいます。塩の分量は肉の重量に対して0.8%がベストです。

焼き肉 むやみにさわらず、旨味のある肉汁をキープ 焼き肉 むやみにさわらず、旨味のある肉汁をキープ

  • 焼け具合が気になって、何度も裏返したりとついついさわってしまいがち。旨味のある肉汁が流れてしまうので、鉄板に肉をのせたらむやみにさわらず、返すのは2度までを心がけましょう。

長田さん流!
焼き肉のおいしい焼き方

  • 1

    鉄板や網はよく熱して、牛脂をしっかりなじませます。

  • 2

    肉は常温に戻して、焼く直前にまんべんなく味が付くよう高い位置から塩をふります。

  • 3

    強火にしたら、肉をのせます。7割焼いたら裏返して3割焼き、最後に一瞬返してすぐ食べましょう。

肉じゃが 調味料は一度に加えない 肉じゃが 調味料は一度に加えない

調味料を一つずつ加えてその都度混ぜることで、食材のおいしさを引き出すことができます。酒は臭みを消し、みりんは煮崩れを防ぎ、砂糖は食材を柔らかくして、ほかの調味料を染み込みやすくする働きがあります。酒→みりん→砂糖→醤油の順に加え、食材を崩さないように木べらなどで上下を返すように混ぜましょう。

酒 みりん 砂糖 醤油 酒 みりん 砂糖 醤油

牛丼 牛脂でコクと旨味を加える 牛丼 牛脂でコクと旨味を加える

柔らかに仕上げるために、肉は焼かずに煮込みます。その際、煮汁に牛脂を加えることで、リーズナブルなこま切れ肉でも、お店の味に近い牛丼がつくれます。

豚肉 PORK 豚肉 PORK

ポークソテー・とんかつ 厚い肉は筋切りして'縮み'を予防 ポークソテー・とんかつ 厚い肉は筋切りして'縮み'を予防

  • 厚みのある肉は、赤身と脂身の境にある筋に4〜5ヵ所切り込みを入れる“筋切り”をしましょう。肉の縮みやそり返りを防ぎ、火の通りを均一にして焼くことができます。

生姜焼き・豚丼 片栗粉の保水性でジューシーに 生姜焼き・豚丼 片栗粉の保水性でジューシーに

  • 肉を焼いたり炒めたりする前に片栗粉をまぶすと、肉汁が流れ出るのを防ぎジューシーに仕上がります。タレに漬け込んでから焼くとかたくなりやすいので、先に焼き色を付けてからタレを絡めるのがおすすめです。

野菜炒め サイズを揃えて'食感'まで満足! 野菜炒め サイズを揃えて'食感'まで満足!

  • 手早く仕上げ、野菜の食感も味わいたい炒め物。薄切り肉なら幅3〜4センチほどに切り、ほかの材料も同じ大きさに切り揃えることで、短時間で火が通り、野菜もクタッとしません。こま切れ肉なら、切らずに使ってもOK!

角煮・カレー・シチュー 煮込み前に下茹でをして、グンとおいしく! 角煮・カレー・シチュー 煮込み前に下茹でをして、グンとおいしく!

  • 塊肉を煮込むときは、3〜5センチ角くらいにカットし、たっぷりのお湯で3〜4分下茹でを。脂やアクが浮いてきたらザルに上げ、水で洗い流します。これで、余分な脂や臭みを取り除くことができます。お湯を米のとぎ汁にして、長ねぎの青い部分としょうがの薄切りを加えれば、さらにGOOD!

しゃぶしゃぶ・冷しゃぶ 80°Cのお湯で、しっとり仕上げ しゃぶしゃぶ・冷しゃぶ 80°Cのお湯で、しっとり仕上げ

  • しゃぶしゃぶは、沸騰したお湯に肉を入れるとかたく締まってしまいます。一度沸かして差し水をし、湯温を80℃くらいに下げてから肉を入れましょう。色が白く変わったら引き上げます。冷しゃぶの場合は、茹でた後に常温の水で冷やすのがポイント。氷水だと急な温度変化で脂が凝固し、肉がかたくなります。冷やした後は、水気を切って冷蔵庫へ!

鶏肉 CHICKEN 鶏肉 CHICKEN

チキンソテー・照り焼きチキン 皮にフォークで穴を開け、脂や筋も取り除く チキンソテー・照り焼きチキン 皮にフォークで穴を開け、脂や筋も取り除く

  • 下ごしらえの際、鶏肉の皮にフォークで穴を開けることで、歯切れも火の通りもよくなり、焼き縮みも防げます。さらに調理前に筋や黄色い脂を取り除くと臭みがなくなります。

サムゲタン・鶏の甘辛煮 切れ込みを入れると、出汁が出やすくなる サムゲタン・鶏の甘辛煮 切れ込みを入れると、出汁が出やすくなる

  • 骨付き肉は骨に沿って切れ込みを入れることで骨離れがよくなり、食べやすくなります。また、骨から出汁が出やすくなるため、塩だけで煮込んでも旨味のあるスープができあがります。

サラダチキン・鶏ハム はちみつor砂糖をすり込んで保水性を高める サラダチキン・鶏ハム はちみつor砂糖をすり込んで保水性を高める

  • ムネ肉の下ごしらえの際には、最初にはちみつか砂糖をすり込みましょう。保水性が増すため、肉がしっとりおいしくなります。さらに沸騰したお湯の余熱でじっくり加熱すれば、パサつきを防げます。

から揚げ 薄力粉と片栗粉のブレンドでいいとこ取り! から揚げ 薄力粉と片栗粉のブレンドでいいとこ取り!

鶏肉に下味を付けるときはしっかり揉んで、味を染み込ませるために最低でも冷蔵庫で30分ほど寝かせましょう。衣は薄力粉だと柔らかくふんわり、片栗粉だと白っぽくカリカリに揚がります。2つのいいとこ取りができる、薄力粉1:片栗粉2の割合でブレンドするのがおすすめ。揚げる際は二度揚げにすると、中までしっかり火が通り、外はカラッと仕上がります。

ササミフライ 筋を取り除くひと手間でよりおいしく ササミフライ 筋を取り除くひと手間でよりおいしく

  • ササミは筋を取り除くことで口当たりがよくなります。筋に沿って両側に浅く切れ込みを入れ、裏返して筋を下にしたら、包丁で肉を押さえながら筋を引き抜きましょう。

挽き肉 MINCED MEAT 挽き肉 MINCED MEAT

ハンバーグ・メンチカツ・餃子 こねるときは余分な熱を加えない ハンバーグ・メンチカツ・餃子 こねるときは余分な熱を加えない

  • 挽き肉に熱が加わると脂が溶け出してしまうため、手早く扱うことが大切。調理器具はよく冷やし、冷蔵庫から出したての挽き肉を使います。氷水で手を冷やしながらこねましょう。

ハンバーグ 順序よく食材を入れてひび割れを防止 ハンバーグ 順序よく食材を入れてひび割れを防止

  • まずは挽き肉に塩のみを加えてよくこねます。こうすることで、塩がひび割れを防ぎ、肉汁を保ってくれます。粘り気が出てきたら、スパイス(こしょう、ナツメグ)、牛乳に浸したパン粉、溶き卵、みじん切りにしたたまねぎの順で加え、その都度手早くこねましょう。たまねぎは食感を出したいときは生のまま、甘みを出したいときは炒めてよく冷ましたものを加えます。成形時にしっかり空気を抜くことも、ひび割れ防止には重要です。

ガパオライス 焼き固めながら炒めて、食べ応えをプラス ガパオライス 焼き固めながら炒めて、食べ応えをプラス

  • 挽き肉をフライパンで炒めるときは、ざっくりとほぐしながら焼き固めるつもりで炒めると、肉肉しい食べ応えのある食感が生まれます。焦げ目ができて香ばしさもぐんとアップ!

ロールキャベツ マヨネーズを入れてしっとり感をアップ ロールキャベツ マヨネーズを入れてしっとり感をアップ

  • 挽き肉をこねる際にマヨネーズを入れることで、旨味やコク、しっとり感がアップして、肉同士もくっつきやすくなります。煮込み料理は、牛肉の旨味と豚肉のジューシーさのバランスがいい牛5:豚5の合い挽き肉がおすすめ。

ミートソース スパイス&ハーブで風味よく! ミートソース スパイス&ハーブで風味よく!

  • お手頃な挽き肉でミートソースをつくるときは、スパイスとハーブを多めに入れましょう。最初に挽き肉を炒めるとき、クミンやナツメグを加えれば、臭みが抑えられます。煮込むときは、乾燥バジルやオレガノを加えると、風味が格段によくなります。

ちょっとしたひと手間を加えることで、肉の風味や食感はぐっと上がります。
いつものお肉の味をランクアップさせる調理のコツを覚えて、素敵な肉ライフを!

※本記事は「iikoto」2024年11月号を再編集したものです。掲載情報は発行当時のものになります。

SUPERVISOR 
株式会社JapanFoodExpert
代表取締役 /料理研究家 / 栄養士
長田 絢さん

出産を機に食と健康の大切さに目覚め、2009年に
JapanFoodExpertを設立。生産地を訪問して見識を深め、食材卸や料理教室などの事業をスタート。狩猟免許も取得し、肉や肉料理については専門店のコンサルティングも手がける。著書に『スーパーで買える「肉」を最高においしく食べる100の方法』(ダイヤモンド社)など。

※本特集で使用している料理写真の一部は、長田さんの著書よりお借りしています。
※著書料理写真撮影:松原伸一郎

長田 絢さん
iikoto

『iikoto』は、豊かに、健やかに、楽しく暮らすためのヒントが詰まった、一条のライフスタイルマガジンです。無料でプレゼントいたしますので、バックナンバーページからぜひご請求ください。

※本記事は『iikoto』(2024年12月号)の特集をもとに編集しています。

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