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おうち防災のススメ《後編》
2024.09.17
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毎年のように日本中で大きな被害をもたらす、自然災害。この国に住む私たちにとって、予期せぬ災害に備えることは宿命ともいえます。…と理解はしていても、忙しい日々の中で“もしも”の準備は後回しにしてしまいがち。そこで今回は、イラストレーターでありながら防災士としても活躍されている草野かおるさんに今すぐ始めるべき「おうち防災」についてお話を伺いました。「いつか、やろう」の第一歩目を、ここから始めてみませんか?
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毎年のように日本中で大きな被害をもたらす、自然災害。この国に住む私たちにとって、予期せぬ災害に備えることは宿命ともいえます。…と理解はしていても、忙しい日々の中で“もしも”の準備は後回しにしてしまいがち。そこで今回は、イラストレーターでありながら防災士としても活躍されている草野かおるさんに今すぐ始めるべき「おうち防災」についてお話を伺いました。「いつか、やろう」の第一歩目を、ここから始めてみませんか?
皆さんは避難所にどんなイメージを持っていますか?「お弁当や温かい炊き出しが出る」「行けば役所の人が面倒をみてくれる」と思う人もいるかもしれません。しかし実際は、快適さやプライバシーがないなど想像しているような場所ではない可能性も。まずは、避難所がどんな場所か知っておきましょう。
災害時に避難所へ向かっても、満員で入れないケースや遠い避難所へ案内されることも…。近年では、感染症予防のため過密にならないよう定員を設けている地域も多くあります。
食事の支給があるのは概ね4日目以降。当日のうちに出てくるのは非常食として備えられている乾パンと水くらいです。寝具も、一世帯に毛布2枚ほどで、足りなければ支給されないこともあります。
災害発生直後の避難所では、仕切りがない中で雑魚寝をするしかありません。就寝時も照明がついていたり、ほかの人の話し声や足音が気になったりと、慣れない集団生活は大きなストレスがかかります。
※命の危険があったり、家が倒壊しそうな場合などは、自宅での避難をすることが難しいため、速やかに避難してください。
※命の危険があったり、家が倒壊しそうな場合などは、自宅での避難をすることが難しいため、速やかに避難してください。
家族構成や住んでいる地域によって、必要な備えは変わります。まずはここで紹介する例を参考に、それぞれの災害時には家の中でどんなことが起こるのか想像して、必要な対策を考えてみましょう。
停電すると、視界が悪く避難をするのも困難になるため、ドアノブや階段の足元などに蓄光シールを貼っておくと安心です。また、家族分のライトを備えておきましょう。
大型の台風が近づいているときは、お風呂を早めに済ませ、きれいな水を貯めておきましょう。小さなお子様がいる家庭は、転落事故防止のためお風呂のフタをしめるようにしましょう。
平常時からハザードマップを確認しましょう。特に、水害時は自宅から避難所までの最短ルートが浸水し、安全ではないことも。必ず一度、避難所までの安全なルートを確認し、避難にどのくらいかかるか実際に歩いてみましょう。
大型台風や豪雨の予報が出たら、トイレやお風呂、洗濯機などは水の逆流を防止するため、ビニール袋に水を入れた水のうを用意して排水口を塞いでおきましょう。
飛来物で窓ガラスが割れてしまう可能性もあるため、園芸用のネットを張るなどの対策をしましょう。また、台風が来ることが予測されるときには、前日のうちに植木鉢や物干し竿など飛んでしまいそうなものを室内に入れておきましょう。
気象庁が提供する「ナウキャスト」は、5分おきの降雨状況や雷活動などを1㎞四方の細かさで1時間先まで予報。非常に細かく表示されるため、雨雲の状況をリアルタイムに確認して、安全なうちに対策や避難を済ませましょう。
家具も少なくすぐに外に出られる玄関は、家の中でも「安全な場所」。揺れがおさまったらすぐに玄関に避難し、傘立てなどでドアが閉じない工夫をしましょう。非常用持ち出し袋も玄関に置いておくのがおすすめです。
包丁やお皿など災害時には危険なものが多いキッチン。棚の扉をS字フックで固定したり、棚の中に滑り止めシートをしくなど飛び出さない工夫を施しましょう。また、冷蔵庫も転倒防止ベルトや、中身を詰めた段ボールで上部のスペースを埋めるなど、倒れないように対策をしましょう。
もしものときにスムーズに避難するために、日頃から床をスッキリさせておくことが大切です。また、家具が倒れてしまうと逃げ道が塞がれるため、粘着ジェルマットや転倒防止プレートなどを使って対策をしましょう。
就寝時は無防備な状態になるため、背の高い家具を置かないことが基本です。カーテンはガラスの飛散を防止するため閉めて眠ることを心がけましょう。また、ベッドの下にライトやスニーカーを用意しておくと、スムーズに避難することができます。
ドアの周りに家具を置いていると、万が一、家具が倒れたときにドアを塞いでしまい、避難が難しくなってしまう可能性が。そのため、ドアの周辺には大きな家具は置かないようにしましょう。
「おうち防災」を始める第一歩は、実際の災害をイメージして、どんな危険性があるのかを確認しておくこと。そこから、必要な対策が見えてきます。
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※本記事は「iikoto」2023年9月号を再編集したものです。掲載情報は発行当時のものになります。
SUPERVISOR:イラストレーター&防災士
草野 かおるさん
出版社勤務の後イラストレーターとして活動。PTA・自治会を通じて16年にわたり防災勉強会や防災訓練などで防災活動に関わったことを活かし、東日本大震災の数日後にブログにて発信を開始。現在は、X(旧Twitter)などからも積極的に情報を発信している。2018年には防災士の資格を取得し、防災について講演を行うほか、テレビやラジオにも出演。主な著書に『おうち避難のためのマンガ防災図鑑』(飛鳥新社)や『4コマですぐわかる新みんなの防災ハンドブック』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。本特集のイラストも描いていただきました。
風水害への備え
○ハザードマップ・避難場所・家族の連絡方法などの確認
○飛散防止フィルムを貼って窓ガラスを補強
○物干し竿など屋外のものは、できるだけ室内に移動
在宅避難ができる3つの条件
〇自宅に大きな損壊がない
〇自宅周辺に火事や液状化などの二次災害がない
〇余震が続くなどの心理的な不安がない
『iikoto』は、豊かに、健やかに、楽しく暮らすためのヒントが詰まった、一条のライフスタイルマガジンです。無料でプレゼントいたしますので、バックナンバーページからぜひご請求ください。
※本記事は『iikoto』(2023年9月号)の特集をもとに編集しています。
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