断熱性を高める

住宅の断熱性を高めることは、「快適さと省エネ性」を高めることです。

建物の断熱性の違いが、サーモ・カメラで歴然です。

下のサーモグラフィ画像は、どちらも冬の長野県で撮影したものです。サーモ画像は、写真の色が緑から黄色、赤色になるにしたがって、その部分の温度が高いことを示します。つまり、その部分から"熱が逃げている"ということです。どちらが高断熱住宅かは一目瞭然ですね。右側が断熱性の高い家、左側が断熱性の低い家ということになります。左側の家は、窓ガラスや外壁から大量の熱が逃げています。これではどんなにエアコンをかけても室内は暖まらず、電気のムダ遣いです。しかも、低断熱住宅では、暖房している部屋と暖房していない部屋の温度差が大きくなり、ヒートショックの原因にもなりかねません。

断熱性の低い住宅/断熱性の高い住宅

木材、鉄、コンクリート。熱を伝えにくい構造材は何でしょう?

住宅の構造材は、大きく分けて「木材」「鉄」「コンクリート」の3つです。下の表の数字を比べれば、木材は、鉄の約353倍、コンクリートの約10倍という断熱性を備えているため、最も"熱を伝えにくい"素材ということになります。鉄やコンクリートを構造体とした場合、構造材が熱の通り道になってしまうため、室内の温度管理が難しくなるだけでなく、冬場は結露して鉄部を錆びさせたり、カビ・ダニを発生させる要因にもなります。快適さや健康面から考えれば、住宅の構造材にふさわしいのは最も熱を伝えにくい素材である「木材」といえるのではないでしょうか。

材質/熱の伝えやすさ

ご存じですか? 夏は室内に入る熱の71%が窓から進入します。

右のサーモ画像は、夏、冷房した室内側から窓サッシ部分を撮影したものです。左側は単板ガラス入りのアルミサッシ。右側は複層Low-Eガラス付樹脂サッシです。こちらも色、つまり温度の違いが歴然としています。アルミサッシの枠は40℃前後と熱くなっており、樹脂サッシの枠は室内の壁表面と同じ温度のままです。

実は、住まいの中で最も熱の出入りが多い部位は「窓」なのです。従来の省エネ基準(1992年)で建てた住宅モデルで、夏には71%の熱が窓から侵入します。また、冬の暖房時は48%の熱が外へ逃げてしまいます。対策のポイントは、壁や天井の断熱対策だけでなく、窓の断熱性能を高めること。一般に使われるアルミサッシと単板ガラスの組み合わせでは不十分です。開口部に「複層Low-Eガラス付樹脂サッシ」を採用するのが、高断熱住宅づくりにおける大事なポイントです。

窓ガラスの結露は、ダニ・カビの発生につながります。

結露でビショビショになったガラス面

寒い冬の朝や夜。窓一面が結露してビショビショになっているのをよく見ます。これはアルミサッシとガラスの断熱性の低さが原因です。結露はカビ・ダニを繁殖させる原因となるだけでなく、建物を傷める要因にもなるので注意が必要です。窓サッシにはアルミの約1,000倍の断熱性をもつ樹脂を使い、複層Low-Eガラスとの組み合わせで、ほぼ万全の結露対策になるといえるでしょう。

断熱材は性能だけでなく、隙間のない施工精度もポイントです

断熱材の性能と施工精度

日本の住宅の断熱材として最も一般的なのはグラスウールです。ロックウールもよく似た断熱材で、やはり多く使われています。メリットとしては大量生産効果によるコストの安さが挙げられます。反面、デメリットとしては現場施工では複雑に下地材料が絡みあうため、隙間なく施工することが難しいという点があります。また、軟らかい繊維系素材なので、よほどしっかり施工しないと、壁などに施工した場合は徐々にずり落ちてしまう欠点もあります。断熱材はいくら高性能のものを使っても、施工の段階で隙間ができてしまっては断熱効果が発揮しきれません。その点、ポリスチレンフォームは変形が少なく、隙間なく充填することが可能な断熱材です。最近ではグラスウールなどに代わるものとして、こうした発泡系の高性能断熱材が高く評価されています。

ステップ図 01 気密性を高める 02 断熱性を高める 03 湿度管理を行う 04 計画換気を行う 05 自然素材、F☆☆☆☆部材を使う