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2022.05.06
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前後編に分けて、「発酵食品」についてご紹介している「カラダにおいしい発酵生活」。後編は、東京農業大学名誉教授で農学博士の小泉武夫先生に伺った、身近な発酵食品や組み合わせて食べたい食材のコンビネーション例をご紹介します。
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前後編に分けて、「発酵食品」についてご紹介している「カラダにおいしい発酵生活」。後編は、東京農業大学名誉教授で農学博士の小泉武夫先生に伺った、身近な発酵食品や組み合わせて食べたい食材のコンビネーション例をご紹介します。
毎日の食卓に目を向けると、 実に多くの発酵食品があることがわかります。おなじみの調味料から 「これが発酵食品?」と驚く意外なスイーツまで、身近な発酵食品を見てみましょう。
原料は大豆に麹、塩。定番の味噌汁も、2種類の合わせ味噌にすることでより深い味わいに。風味が飛ばないよう火は沸騰直前で止めましょう。
大豆、小麦、麹、塩が原料。製法によって濃口、淡口、白醤油、たまり醤油など種類も豊富です。
穀物や果実の酒を酢酸菌で発酵。原料により、米酢、黒酢、リンゴ酢、ワインビネガーなどに分かれます。
豚のもも肉を塩漬けし、発酵、乾燥、熟成させた食品。長期間熟成したものは芳醇な香りと美しい色調が楽しめます。
魚介の身や内臓に塩を加え発酵、熟成させた食品。イカの塩辛がおなじみですが、鰹の内臓でつくる酒盗(しゅとう)なども。
煮た鰹を燻して乾燥させ、カツオブシカビを付けてつくる世界一硬いといわれる発酵食品。和食の基本ともいえる出汁に欠かせません。
大豆と納豆菌でつくる栄養豊富なザ・発酵食品。糸を引くほど旨み成分も増えるので、よく混ぜて食べましょう。
日本でも人気な海外生まれの発酵食品。白菜キムチは、塩漬けの白菜に唐辛子粉や沖アミ、梨などを加えて発酵させます。
米ぬかに塩を混ぜたぬか床に、色々な野菜を漬けて発酵。乳酸菌や酵母の作用で発酵が進み、味の変化が楽しめます。
生乳を乳酸発酵させた後、加熱・非加熱の違いでナチュラルチーズとプロセスチーズに分かれます。どちらも肌荒れ予防などの効果が期待できます。
牛乳に乳酸菌を混ぜ発酵させてつくります。整腸作用はもちろん、カルシウムも豊富で骨粗しょう症の予防にも◎。
牛乳から分離したクリームに乳酸菌を加えて発酵させます。非発酵のバターより風味が強く、お菓子づくりに最適です。
小麦粉のでんぷん質に乳酸菌を混ぜてつくる、和菓子で唯一の発酵食品。きな粉と黒蜜をかけて食べます。
独特の食感は、ココナッツの果汁に酢酸菌の一種「ナタ菌」を加えて発酵・凝固させることで生まれます。
米に清酒酵母や麹を加えてつくる日本の伝統的な発酵食品です。
麦芽のでんぷんを糖化してビール酵母を加えて発酵させます。醸造法により「ラガー」と「エール」に大別されます。
ぶどう果汁にワイン酵母を加えて発酵後、熟成させてつくります。
厚労省が推奨する健康な成人男女の1日の食塩摂取量は、男性7.5グラム未満、女性6.5グラム未満。一方、味噌汁1杯に含まれる塩分は約1.2〜1.5グラムとされ、健康な人が毎朝1杯の味噌汁を飲む程度ならまったく問題ありません。 減塩タイプの美味しい味噌もあるので、そちらを利用するのもおすすめです。
納豆を発酵させる納豆菌は熱に強いので、加熱してもその効果は失われません。ちなみに、納豆のネバネバに含まれるナットウキナーゼ(血栓を溶かすとされる成分)は熱に弱く、50℃以上になると効果が失われます。
体にいいからといって、一度に大量に食べたりするのはNG。かえって不調の原因になることもあるのでご注意を。他の食品ともバランスよく食べるのがベストです。
美味しさはもちろん、体をより元気&キレイにしてくれる効果が期待できる「発酵食品×おすすめ食材」の組み合わせをセレクト。いつもの食卓で、ぜひお試しください!
納豆の納豆菌とキムチの乳酸菌は、どちらも腸内環境を整えてくれる最強コンビ。 納豆菌は乳酸菌のエサとなってこれを活発化させ、善玉菌も増加します。腸内のバランスも調整されて、お腹もスッキリ!
納豆はよく混ぜ、キムチは刻んでご飯の上に。茹でて輪切りにしたオクラを加えれば、旨さ倍増!
味噌の原料、大豆はたんぱく質を多く含み、さらに発酵させることによってアミノ酸やビタミンなど栄養も豊富に。 海藻類に含まれるアルギン酸には体内の余分な塩分を排出する作用があり、塩分を気にしている人にもおすすめの組み合わせです。
ポピュラーなのはワカメの味噌汁。海藻類は酢味噌と和えるのもおすすめです。
魚醤は魚介類を使った発酵調味料で、食欲増進やアンチエイジング効果が期待できます。有名なのが、ハタハタなどの魚を塩と麹で発酵させてつくる「しょっつる」やタイの「ナンプラー」。パスタの味付けに使うと一気にアジアンテイストに。
お好みの野菜と刻んだニンニク、茹でたパスタを炒め、魚醤をサッと絡めて完成!
酢の酢酸は体内に入るとクエン酸に変化。クエン酸には疲労物質の生成を抑える作用があります。これを貝類に合わせることで、貝に含まれる亜鉛や鉄などのミネラルの吸収を酢がサポートする役割も果たしてくれます。
生食用の新鮮なカキにポン酢をサッとかけ「酢ガキ」で味わうのがおすすめ。
ヨーグルトに含まれるたんぱく質と柑橘類に含まれるビタミンCは、コラーゲンの生成に不可欠。コラーゲンは肌や爪、髪の毛の元となる成分で、十分に生成することで肌のハリやツヤが良くなり、爪の割れなども防ぐことができます。
ミカンやオレンジ、グレープフルーツにヨーグルトをかけて朝食の一品に!
必須アミノ酸やビタミン、ミネラルも豊富で「飲む点滴」とも呼ばれる甘酒。甘酒には体を温める効果もあり、同様の効果のあるしょうがを加えることで体中ポカポカに。この2つの組み合わせは、血圧の上昇の抑制も期待できます。
米麹でつくった甘酒に、すりおろしたしょうがの絞り汁を少々加えて。
フライパンにサラダ油をしいて納豆を炒め、焼き色がついたら中心に卵を落とします。それをご飯にのせて削り節をかけ、醤油をひとたらし。香ばしい香りが食欲をそそります。
食べやすい大きさに切ったきゅうりと赤唐辛子をごま油で炒め、細切りにした昆布、醤油、酢、本みりんを混ぜた漬けダレを加えます。冷蔵庫でキリッと冷やして召し上がれ♪
2006年、日本醸造学会により麹カビが日本の菌「国菌」に認定されました。麹カビは、日本特有の気候・風土から自然発生したといわれ、2013年に無形文化遺産に登録された和食の味を支えている重要な菌です。和食が世界から注目を集めるいま、日本の発酵食文化の可能性も、今後さらに広がっていくことでしょう。
発酵食品の健康効果や魅力を知り、おいしく食べて、ゲンキ・キレイをめざしましょう!
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※本記事は「iikoto」2021年12月号を再編集したものです。掲載情報は発行当時のものになります。
監修・東京農業大学名誉教授・農学博士
小泉武夫さん
福島県の酒造家に生まれる。東京農業大学農学部醸造学科卒業。あらゆる微生物と発酵食品を研究対象とし、世界中の発酵食物を味わいつくす。「発酵の学校」校長。NPO法人発酵文化推進機構理事長。鹿児島大学、福島大学、別府大学ほか客員教授も務める。近著に『最終結論「発酵食品」の奇跡』(文藝春秋)ほか、著書は140冊以上にのぼる。
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※本記事は『iikoto』(2021年12月号)の特集をもとに編集しています。
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