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2022.05.06
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タコや靴擦れ、外反母趾。こんな足のトラブルに悩まされたことはありませんか? これらの多くは、間違った靴を選んでいることが原因なのだとか。靴選びは、足だけでなく全身の健康にも大きく関わっています。そこで、1万人以上もの足の計測と靴のアドバイスを行ってきた保健学博士の森千秋さんに、靴の正しい選び方や履き方についてお話を伺いました。足と靴を知ることで、健やかな足を守る正しい靴選びに役立ててください。
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タコや靴擦れ、外反母趾。こんな足のトラブルに悩まされたことはありませんか? これらの多くは、間違った靴を選んでいることが原因なのだとか。靴選びは、足だけでなく全身の健康にも大きく関わっています。そこで、1万人以上もの足の計測と靴のアドバイスを行ってきた保健学博士の森千秋さんに、靴の正しい選び方や履き方についてお話を伺いました。足と靴を知ることで、健やかな足を守る正しい靴選びに役立ててください。
靴は、いわば“足の延長”。歩行の補助や負担の軽減など、足が本来もつ機能をさらに高めるための重要な役割を果たしています。
硬いアスファルトや足をとられて歩きにくい砂利道など、靴には歩行によって生じるさまざまな衝撃や摩擦、汚れなどから足を守る役割があります。
歩くとき、カカトから地面につき、足全体に荷重して、つま先で蹴り出す。この一連の動作をスムーズに行えるようにサポートするのも、靴の大切な働きです。
カカトは身体の重さの約
70%を支えています。靴がカカトをしっかり固定することで、足にかかる体重が均等に分散され、身体が支えやすくなります。
靴は、身体の土台部分にあたります。大き過ぎる、軟らか過ぎるなど、自分に合っていない靴を履くと重心やバランスが悪くなります。これは、歩くたびに足元で小さな地震が起きているようなもの。人間は高層マンションのように細長い形をしているため、その揺れは上半身まで伝わり、ひざや腰、背骨、肩、首、頭などあらゆる部位へ影響します。
①1年に1度は足のサイズを測って自分の適正サイズを確認
②なるべくひも靴で過ごし、毎回きちんと靴ひもを結ぶ
①1年に1度は足のサイズを測って自分の適正サイズを確認
②なるべくひも靴で過ごし、毎回きちんと靴ひもを結ぶ
自分に合った靴を選ぶために、まずは自分の足の特徴を知ることが大切です。さっそく、自分の足の性質や正しいサイズをチェックしてみましょう。
あなたの足は、
どのタイプ?
あなたの足は、どのタイプ?
持って生まれた足の性質によって、起こりやすい足のトラブルや身体の不調
は変わってきます。特にトラブルになりやすい足は大きく4つに分類されます。
足のかたさは?
衝撃吸収機能を補うような土踏まずに沿ったインソールや、靴底のあついものがおすすめです。
柔軟性がなく、体重による足の潰れが少ないのが特徴。少ない接地面積で身体を支えるため、衝撃吸収機能に欠け、足の裏の負担が増します。
肩こり、ひざ痛、腰痛
甲が靴に当たる、浮きゆびなど
足をしっかりと固定できるよう、カカトは硬く、アッパー(表面素材)は革などしっかりしたものを選ぶと良いでしょう。
かたい足と反対に、立ったときに足の形が潰れやすいのが特徴。歩行中、足が浮いているときと体重がかかっているときで、足の形が変わります。
猫背、首・肩こり、ひざ・腰・股関節痛
外反母趾、内反小趾、タコ、魚の目、扁平足、巻き爪、X脚など
足のあつさは?
足の甲が高い傾向にあるため、
ミッドカットの靴を試してみましょう。
弾力のある肉質が天然のインソールの役割を果たし、比較的足のトラブルが起こりにくいタイプ。一方で足のゆびが浮きやすく、姿勢や歩き方によっては、ひざや腰の不調につながることも。
ひざ痛、腰痛、ひざが外を向く(特に男性)
浮きゆび、肥厚爪(ひこうつめ)、巻き爪、甲が靴に当たるなど
足の甲が低く、靴の中で足が前滑りしてしまいやすいため、履き口の狭い靴や固定性の高い靴を選びましょう。
足ゆびの付け根やカカト下の脂肪層がうすく、骨張った部分にトラブルが起こりやすい足。特にやわらかくうすい足はさまざまなトラブルに悩まされることが多いです。
偏頭痛、ひざ痛、腰痛、肩こり、ストレートネック
外反母趾、内反小趾、タコ、魚の目、扁平足、浮きゆび、O脚、X脚など
あなたの足の
正しいサイズは?
あなたの足の正しいサイズは?
あなたがぴったりだと思って履いている靴、実は思い込みかもしれません。
正しい足のサイズを知って、足のトラブルを回避しましょう。
○ 文庫本2冊 ○ 布製メジャー ○ 付箋
○ 正しく測定するために2人1組で行う
○ 足が平行になるよう、カカトを壁の下部など直線に合わせる
○ 左右の足は、10cmほど間隔を空ける
○ 目線は真っ直ぐ、両腕は自然に下ろした状態
測るポイントは3つ!
カカトの末端から一番長い足ゆびまでの長さ
一番長い足のゆびに合わせて
文庫本を置く
足を抜いて、長さを測る
親ゆびの付け根から
小ゆびの付け根までの長さ
親ゆびと小ゆびの付け根の出っ張った部分に文庫本を平行に置き、
付箋などで印をつける
足を抜いて、付箋につけた
印の間の長さを測る
足幅の周囲の長さ
足の下にメジャーを敷き、
足幅で測ったところと
同じ場所に合わせる
そのまま1周ぐるっと巻き、
長さを測る
左右でサイズが違う場合は?
左右で足長のサイズが違う場合は、つま先が当たらないよう、大きい足に合わせて靴を選びます。小さい足には、靴下をもう1枚履いて調整するなど隙間を作らない工夫を。痛みのある場合は、カカトサポーターを着用し、カカト周りを厚くすることで前滑りを防止します。
立った状態とつま先を浮かせた状態で
立って体重をかけた状態だけでなく、座って足を組むなど、つま先を浮かせた状態のサイズも測りましょう。荷重時と非荷重時で足幅に10㎜以上の差がある場合は、いつも選んでいる靴より1サイズ小さいものも試してみることをおすすめします。
JIS規格を確認し、靴選びの参考に!
JIS規格では、足幅と足囲の標準的な値を「E」として、広い・狭い、あつい・うすいを英数字で表した指標「ウィズ」を設定。実際に計測したサイズから、あなたに合ったウィズを確認して靴選びの参考にしてください。足幅と足囲でウィズが違う場合は「足囲」を優先します。
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※本記事は「iikoto」2023年11月号を再編集したものです。掲載情報は発行当時のものになります。
監修:保健学博士 森 千秋さん
2011年、足と靴の専門家資格フットケアトレーナーを取得。正しい靴選び講座を続けながら靴教育の必要性を訴え、「一般社団法人日本靴育協会」を設立。これまで1万人以上の足のお悩みを解決。その職人的経験と勘を数値化するべく、2014年、新潟医療福祉大学大学院に進み、靴医学の権威である阿部薫氏に師事。講演・講座・研修を通して、足と靴のトラブルや整形外科的疾患の予防に全力で取り組む。静岡市に靴店「足と靴の健康を科学するマイシューズストーリー」を構える。主な著書に『人生がキラめく靴選び』(河出書房新社)がある。
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※本記事は『iikoto』(2023年11月号)の特集をもとに編集しています。
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