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魅惑のスパイス《後編》
2024.07.16
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いつもの料理に、本場の味わいや刺激的なアクセントをもたらしてくれるスパイスの数々。でも、「ちょっと使うのが難しそう…」「辛いものが苦手だから…」と感じる方も少なくないでしょう。そこで、今回はスパイス料理研究家の印度カリー子さんに、スパイスの深い魅力や楽しみ方についてお伺いしました。スパイスの特性を知ることで、毎日のメニューに豊かな彩りをプラスしてみませんか。
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いつもの料理に、本場の味わいや刺激的なアクセントをもたらしてくれるスパイスの数々。でも、「ちょっと使うのが難しそう…」「辛いものが苦手だから…」と感じる方も少なくないでしょう。そこで、今回はスパイス料理研究家の印度カリー子さんに、スパイスの深い魅力や楽しみ方についてお伺いしました。スパイスの特性を知ることで、毎日のメニューに豊かな彩りをプラスしてみませんか。
世界には350〜500種類のスパイスがあるといわれています。古くは民間療法や食料の保存、魔除けとして、あるときには金銀と同じ価値で取引され、その幅広い可能性と魅力に人類は魅了され続けてきました。ぜひ、五感をフルに働かせて、“香りのまほう”を味わってみてください。
スパイスとは香りや刺激のある植物由来の香辛料の総称です。植物の茎や果実、根などを乾燥させたもので、さまざまな用途で使われてきた歴史がありますが、本来の役割は食材を引き立てる「香り」や「色」をつけることです。
古くからスパイスが料理に用いられてきたのは、鮮烈で刺激的な非日常を感じさせる香りにあります。食欲をわかせ、料理に彩りをもたらしてくれるスパイスは、食事を味覚だけで楽しむものではないことを教えてくれます。
スパイスにはさまざまな健康効果が期待できることが研究・報告されています。カレーの本場インドでは、日常的に家族の体調に合わせてスパイスを使い分けているんだとか。
スパイス=辛いものばかりと思っていませんか?実は、辛みがあるのはチリペッパーやブラックペッパーなどごくわずかなので、小さなお子さまでも楽しむことができます。
スパイスの香りは、食欲をわかせ料理に変化をもたらしてくれます。刺身にワサビをつけるように、少し足すことで、飽きることなくおいしく食べることができます。
食材のおいしさを引き出してくれるのもスパイスの魅力です。たとえば、ターメリックは、魚を焼く際にひとふりすると脂の酸化が進みにくく、臭みを抑えることができます。
和食では、お醤油・お酒・みりんなどを組み合わせて、料理にさらなる奥行きを与えます。スパイスも同様に、組み合わせることで、違った香りや印象に変化します。
複数のスパイスをブレンドして使うのは難しくても、1種類なら失敗も少なくチャレンジもしやすいです。そのスパイスをいつもの一皿に少し足すだけでも、まほうを体感することができるはず。ここでは、手軽に入手できて汎用性も高い最強のスパイス「タ・ク・コ」をご紹介!
鮮やかな黄色が特徴でカレーなどには欠かせないスパイス。カレー粉の黄色もターメリックによるものです。黄色の色素成分は「クルクミン」といい、老化防止や美肌、血管を若々しく保つための抗酸化物質を多く含みます。がんや糖尿病、心臓病などの生活習慣病の予防にも効果があるといわれています。ターメリックは色付けの他にも味に深みをつけたり、肉や魚の臭みを消したりと大活躍。たくさん入れると土っぽい香りが立ってしまうので、まずは少量から調整していきましょう。
香り | 別名 | 科名 | 部位 |
---|---|---|---|
土のような やさしい香り |
ウコン、 インディアンサフラン |
ショウガ科 | 根茎 |
香り | 土のようなやさしい香り |
---|---|
別名 | ウコン、インディアンサフラン |
科名 | ショウガ科 |
部位 | 根茎 |
食欲を増進させ、夏バテや病み上がりのときの食欲不振にもうってつけです。消化促進や、消化器官を整え腸内にたまったガスを出してくれる作用もあるといわれています。ターメリック同様、抗酸化物質を含んでいて、成分は「クミンアルデヒド」。古くから漢方では胃薬として使われ、インドやスリランカの医学であるアーユルヴェーダでは精神をリラックスさせるために使われているんだとか。サラダにかけたり、スープに加えたりとエスニック料理には欠かせないスパイスです。
香り | 別名 | 科名 | 部位 |
---|---|---|---|
刺激的な エスニックの香り |
馬芹(うまぜり)、 ジーラ |
セリ科 | 種子 (植物学上は果実) |
香り | 刺激的なエスニックの香り |
---|---|
別名 | 馬芹(うまぜり)、ジーラ |
科名 | セリ科 |
部位 | 種子(植物学上は果実) |
パクチーの種子を乾燥させたものでそのままか、粉末状に砕いて使われます。インド人がこよなく愛するコリアンダーは、カレーはもちろんインド料理に欠かせないスパイスです。葉(パクチー、香菜)には独特な芳香があるのに対して、種子の香りはレモンのようにさわやかで、まったく香りが違うのが面白いところ。それは、葉と種では成分が違うためです。種を使うスパイスは食用・薬用含め、数千年前から利用されてきた長い歴史を持ち、血糖値の上昇を穏やかにするほか、整腸作用があるといわれています。
香り | 別名 | 科名 | 部位 |
---|---|---|---|
さわやかな香り | コエンドロ | セリ科 | 種子 (植物学上は果実) |
香り | さわやかな香り |
---|---|
別名 | コエンドロ |
科名 | セリ科 |
部位 | 種子(植物学上は果実) |
スパイスは、大きく2つに分けられます。葉や種子などの部位をほぼ原型のままの状態で乾燥させた「ホールスパイス」と、ホールスパイスを粉砕した粉末の「パウダースパイス」。ホールスパイスは香りが持続しやすく、最初に油で熱することで深い香りを引き出すことができます。一方のパウダースパイスは、料理そのものに溶け込むので、下ごしらえや、香りづけのために料理の後半に入れるなど、使い方をうまく分けることでおいしさのまほうをかけています。
前編ではスパイスの魅力とともに、基本となる代表的な3つのスパイスの基礎知識についてご紹介しました。後編は、スパイスをもっと深く知るためのQ&Aやスパイスを効果的に使うレシピをお伝えします。
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※本記事は「iikoto」2022年7月号を再編集したものです。掲載情報は発行当時のものになります。
SUPERVISOR:スパイス料理研究家
印度カリー子さん
スパイス初心者のための専門店 香林館(株)代表取締役。「スパイスカレーをおうちでもっと手軽に」をモットーに、初心者のためのオリジナルスパイスセットの開発・販売をするほか、レシピ本執筆、大手企業と商品開発・マーケティング、コンサルティングなど幅広く活動。2021年3月東京大学大学院農学生命科学研究科修了。著書に「スパイスのまほう」(秀和システム)ほか多数。
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※本記事は『iikoto』(2022年7月号)の特集をもとに編集しています。
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